ビジョン
Vision

人と比べるな。

自分で評価を下すな。

塾で教わった言葉です。

青二塾 大阪校 5期生山崎 和佳奈

卒塾生の声

塾の2年間は、
とてもとても貴重な時間でした。

青二塾大阪校に入るまでの経緯を教えてください。
大学時代に学生劇団に入っていて、その劇団がラジオ番組を持っていたんですね。で、通っていたラジオ局の受付に、青二塾大阪校のチラシがあったんです。卒業後どうするかを考えるタイミングでもあり、「子供の頃アニメも好きだったし、声優という仕事はあるな」と思いました。大阪校の強みで授業が土日でしょう?「青二塾には入ろう、でも就職もしよう」と決めて、週休2日制の会社で働きながら、塾に通うことにしたんです。
実際に入塾されて、いかがでしたか?
塾の2年間は、私にとってとてもとても貴重な時間でした。本当に土台作りをする場所なんだなと思いましたね。そりゃ、最初からマイクを立てて画に声を当てる練習をするのは楽しいかもしれないけれど、青二塾では当時アフレコの授業すらなくて、きっちり役者の土台を作るカリキュラムが組まれていたと思います。みんな俳優を目指していたけれど、ライバルを蹴落とすような関係ではありませんでした。そもそも誰が上、下というのは無いと思うんです。役を演じるってそうじゃないですか、同じ役でもみんな違った風になる。自分だったらこの役をいかに魅力的にできるかをそれぞれに考えるので、見ることもすごく勉強になりました。
なるほど。上・下がないというのは、頭で分かっていても、誰もが悩むことかもしれませんね。
不思議なもので短所が長所になることもあるし、長所が面白くないものになることもあって、芸能ってそういうものなんだなって思います。これは塾長先生に言われた言葉ですけれど、「人と比べるな」「自分の評価を自分で下すな」って。人と比べて自分で評価を下してしまうと、つまらないものになるんじゃないかな。実際自分では思いもよらない役をいただくこともありますし、それぞれが、自分をいかに育てていくかが大事なんだと思います。塾生時代、塩沢兼人さんの特別授業で、詩を朗読した後に目を伏せて、「今の、要るか要らないか手を挙げて」って言われたんです。自分がプロデューサーだとして、買うか買わないか。上手い下手ではないんです。たどたどしくても素朴で詩の内容が心に刺さるなら「要る」じゃないですか。「結局こういうことなんだよ、現場って。こういう仕事なんだよ」って教えてくださったんですよね。もちろん滑舌の練習も大切、技術を磨くことも大切。だけど、根本に人間力というか魅力がないと買ってはもらえないんだよということですね。塾長先生に言われたことと重なったなって思いました。

長い作品では現場はファミリーみたい。
でも逆に、
新鮮味を失っていないか考えます。

幅広い仕事をされていますが、仕事をする上で意識が変わる転機はありましたか?
ラッキーなことに私は、ほぼ初めてのアニメの仕事で、3人の主役のうちの1人に選んでいただいたんです。いきなり大きな役でレギュラーをいただいたのはひとつの転機でした。塾では自分の役で精一杯だったけれど、現場はみんなで作っているものなんだなと。先輩から色んなことを教えていただいたし、ダビングを見学して自分の声がどう仕上がるかを知るのも勉強になりました。
その後、『おはよう!ナイスデイ』という番組で、今の『とくダネ!』にかかる6年半くらい、生ナレをやらせていただきました。早起きしてスタジオに行って、1時間くらい台本をチェックしてナマで原稿を読むので、ある意味度胸がついたのかな。生番組は救急医療みたいなところがあって、自分の出来を置いておいて、とにかく伝えるのが優先。スタッフの一員として、みんなでこの2時間を乗り切るぞという密なエネルギーの中での仕事でした。その緊張感のある雰囲気が好きで…良い経験だったと思います。
『名探偵コナン』のように息の長い作品は、誰にとっても憧れだと思うのですが。
毛利蘭役は本当に運がよかった。有り難いことだなと思います。アニメになる前にコナンを使った単発のCMがあって、スタッフの方の紹介で蘭役を演らせていただいたんです。その後オーディションも受けたんですがそのまま役に選ばれたので、「あたしで良かったんだ!」って嬉しかったですね。もちろん、それからもそれなりに迷いがありましたけど…。長い作品になったので現場はファミリーのような空気ですが、役者もスタッフも「お約束」に陥らないように気を付けています。毎回殺人事件が起きて事件に慣れ切っちゃったら、一般人の蘭ちゃんとしてまずいですよね。毎回、何か忘れていないか、新鮮味を失っていないかということをすごく考えるようになりました。

チャンスは必ずある。だから、
信じて準備しなくちゃいけないんです。

後輩たちにアドバイスはありますか?
塾生や青二塾を目指す方にアドバイスするとしたら、ひとつひとつの授業に集中して、ものにしていくことだと思います。2年間、しかも土日ってそんなに長くないので、フワフワっとしてたら終わっちゃいますよね。一個一個の授業を大切にしていくと、自ずと自分の課題も見えてくると思うんです。私の場合は、「頑張ろう!」って思っていたというより、なんだろう、楽しかったんですね。台本の朗読を予習するのも楽しいからやりたかった。読むことや役を演じるってことがいかに好きかは大事かもしれません。
卒塾後、仕事が軌道に乗るまではいかがでしたか?
青二塾大阪校は、青二プロのオーディションに合格して東京に出る時、親が反対していたら絶対ダメなんです。合格したら自分の力で親を説得するんだよと言われていました。だから私の気持ちは親にずっと伝えていたし、合格後に塾でも「保護者面談会」を開いて、塾長先生と青二プロの社長とでしっかり説明してもらえたので、親も納得してくれました。ただ、ジュニアの時代は難しかったですね。自分の名前と声をマネージャーさんたちに覚えていただくために事務所に行くんですけれど、なかなかとっかかりを作るのが難しくて悩みました。焦る気持ちと、行きづらい気持ちと。ふらっと行けるタイプの人もいるんでしょうけれど、私は何か用事がないと行けないので、家でデモテープを作って渡すことを用事にしていました(笑)。
支えになったのは、最初に青二プロの当時の専務に、「ジュニアの期間に、どんな子にも必ず一度はチャンスが来る」って言われたことです。そのチャンスを掴むか掴まないかは自分次第だって。「どんなにチャンスが来ないと思っても、2年に1度くらいは必ずチャンスがある」と言い切られたので、そうか、それを励みに頑張ろうと思っていました。つまりね、その時のために準備をしておかなきゃいけないんです、自分を信じて。

PROFILE

山崎 和佳奈 青二塾 大阪校 5期生

出身地:神奈川県/大阪校5期生/『名探偵コナン』 毛利蘭役/『ひみつのアッコちゃん』 アッコ役/『ママレード・ボーイ』秋月茗子役/『戦国無双』阿国、ねね役/『デッド オア アライブ』 あやね役/TBS『サンデー・ジャポン』 他

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