- 青二塾大阪校に入塾した理由を教えてください。
- 僕はお笑いが好きで、ずっとクラスの子を笑わせるのが好きだった。その延長で俳優になろうと思っていたので、俳優養成所を標榜している青二塾大阪校に入ったんです。のちに、声優の大手事務所の養成所だと知りました。
- 塾の授業はいかがでしたか?
- 塾ではエチュード(即興劇)が大好きでしたね。先生が「駅前に1年ぶりに会う人がいます」というようなシチュエーションを決めるんだけど、僕はそれをどうコントにして笑わせるかを考えていました。エチュードとコントの違いなんて僕には分からなかったし、出し物をやる時も全部コントでした。楽しかったですし、得意ですね。今でも、台本通りに演るのはもちろんだけれど、いかにその場にいる役者やスタッフを笑わせるかを考えます。TVやラジオの前の人に向けて芝居をするんだけど、目の前にいる人が笑わなかったらTVの前も笑わないじゃないですか。それにたぶん、監督は予想通りのものが欲しいんじゃなくて、「違ったらいいのにな」と思ってるはずなんです。役者としては、予想を超えた芝居をして笑ってもらうのが楽しい。僕が演じることで相手の役者が「面白い」と感じて、生のセリフを返してくれる時が楽しい。セリフは決まってるけど、それを言う感情は自由じゃないですか。その本当のところを引き出せたらいいなと思っています。
- 今振り返って、青二塾のどんなところが良かったと思いますか?
- とても規律正しかったことですね。役者で本当に売れている方は、スタッフさんに対しても腰が低くて、真面目な方ばかりなんですよ。役者の最低条件として、遅刻してはいけないとか、目上の方に対しての態度とか、人間として大事なことをイチから学ばせてくれたのが青二塾です。うち、遅刻にめちゃくちゃ厳しいんです。実際、仕事の場になったら遅刻をしても使ってもらえる人なんていません。僕らはCMのたった15秒でお金をもらう仕事でしょう。遅れてスタジオを空けるってことは損失ですからね。塾では「30分前に入って準備しないとダメだ」と言われていましたから、僕はいまだに30分前には仕事に入ります。早すぎて怒られたことがあるくらいです(笑)。