ビジョン
Vision

夢だけじゃないけど、

夢を見られる

業界でありたい。

青二塾 大阪校 6期生置鮎 龍太郎

卒塾生の声

色んな役と役者に出会って、
仕事や人との関わり方も
変わってきました。

今まで仕事をしてきて、特に印象深い仕事は何ですか?
30年やってると、大事な忘れられない作品、ありますよね。幅広い年齢層に知っていただけているであろう『SLAM DUNK』『テニスの王子様』を始め、数々の作品に出演して来ました。それなりの期間お仕事を続けて来られたからということもありますが、皆さんの記憶に残っていく作品に携わらせていただける機会はそうそうないと思うので、すごく光栄なことです。沢山の人に観てもらうことが全てではないけれど、「観てました」と言ってもらえるのはそういう作品のおかげですよね。その時々、一瞬一瞬、大事にしてきたものがあって、出会いを重ねて仕事や人との関わり方がちょっとずつ変化してきて、今の自分があるような気がします。
どんな変化があったのでしょうか?
自分自身が、役をしっかり作りこまないと演じることができないタイプだったので、いかに普段の自分と近いところで役を演じるかというのが当時の課題でした。かっこいい役の時はめっちゃくちゃ気取って演ってましたよ(笑)。基本的には役との共通点は少ないんです、僕自身はそんなにまぶしい学生時代を送ってないので(笑)。でも何とかその役に寄せて、自分にないところを補おうと。一番足りなかったのは、確実にコミュニケーション能力!本当に苦手で、人間性で仕事を獲るという意味が分かっていなかった。売れるには仕事しかないと思い、「自分はこう演じたい」「演じるところをしっかり見せたい」と必死でした。でも実際には、人間的なつながりって、すごく大事です。むしろそれこそが世界中全ての物を作っている。作品を作るのは人ですからね。今は、オーダーに応えてクオリティの高いものを提供することが信頼関係にもつながる、という考え方に変わったということです。
僕、実は『SLAM DUNK』のオーディションを受けていないんです。その少し前にレギュラーをやらせてもらっていた『ママレード・ボーイ』という作品がありまして、その収録を観に来ていた『SLAM DUNK』のプロデューサーさんが僕を認めてくれて、役に推薦してくれたんですって。僕はそれを知らなくて、その方が亡くなってから人伝てに教えてもらいました。嬉しいけど、悔しいなぁ。お礼も言えぬままに時間だけが過ぎていたなんて。人のつながりによって、そういうこともあり得るということです。

決して楽な仕事ではないということも
ちゃんと知っておいてほしい。

仕事を始めた頃の話をお聞きできますか?
若い時は、「どんどん仕事しなきゃ」「稼がなきゃ」という気持ちでした。今も気持ち的には変わっていないんですけれど、おそらくもっとガムシャラ感が前に出ていたんでしょう。オーディションの勝率も高かったですね。仕事を次につなげなくちゃという気持ちが強く、本気度が伝わっていたんだと思います。当時の手帳は仕事の予定で真っ黒でした。年末年始も休まなかったし、仕事に追われていて、世の中で何が起きていたのかが記憶にないくらい。今となってはよく生きてたなと思います。声優は、決して楽な仕事ではないと思います。しかも、男性は特に無理な発声をする機会が少なくありません。大声でうなったり、絶叫したりね。僕は仕事の後喉を休ませることを優先していますけど、喉をつぶして声が変わる方も少なくありません。
声優を取り巻く環境にも変化があったのではありませんか?
最近は業界の環境も変わって、かつての10倍以上声優を目指す人がいる。声優事務所も増えたし、色んな世代、色んな資質を持った人が声優の仕事をしています。以前は芝居力だけを求められていたけれど、今はパーソナルな部分を見せる機会も増えています。ステージで歌って踊る機会も多いですよね。ただ、あそこにいるのは、本当に限られた、ラッキーなタイミングで作品に出会えた人たちです。それだけでは仕事は回らないので、声優のほとんどはそうではないんです。華やかな場所にはいないけれど、しっかり脇を固めて作品を支える人がいるから成り立つ世界であるということを、声優を目指す人にはちゃんと知っておいてほしいですね。

青二塾に入って、声優を
職業として考えるようになりました。

遡って、青二塾大阪校時代に何か意識の変化はありましたか?
高校卒業後すぐに入塾したんですが、その頃は声の仕事にどういうジャンルがあるかも分からず、ただアニメが好きで、アニメの「声優」をやってみたいと思っていました。塾に入って、目指していた声優というものへの憧れが、より職業意識に向かったかな…。しっかりしないとプロにはなれないなという気持ちが芽生えたんだと思います。俳優を仕事として見ていないクラスメイトを反面教師にした部分もあるし、月1回、青二プロダクションから来てくださるプロの先生方と接する機会があったことも大きかったと思います。印象深かったのは、杉山佳寿子さんの「リラクゼーション(感情開放)」の授業です。仕事の現場で泣いたり笑ったりすることって、いかに自分の感情を爆発させて表現するかをトレーニングしていないと、できないんですよ。塾は、そういうことに気づかせてくれる場でした。
また、塩沢兼人さんの存在も大きかったですね。僕、塾生のくせに、あろうことか「将来は某役者さんみたいな役で、 塩沢さんのライバルみたいなポジションでご一緒したいです」って言ったんです。「ヤなやつ」って言われました。そりゃそうですよね。そんな失言への後悔もあったし、ミスして説教されたこともありました。ご本人の存在そのものも大きいし、実際に仕事でご一緒するようになってからは、人としての強さも弱さも見せてもらえたなと思います。
俳優・声優を目指している方にひと言お願いします。
これから入塾するみなさんには、俳優・声優の良い部分をいっぱい見て、しっかり憧れて、学ぶ原動力にしてほしいと思います。実際には夢じゃないことが8割を占めるんですが、それでも僕らは、夢を見られるような業界にしていけたらいいなと思っているんです。夢見るだけでは厳しいのが現実だけれど、でもやっぱり夢を見てほしい。この業界は、夢のある世界であってほしいですから。

PROFILE

置鮎 龍太郎 青二塾 大阪校 6期生

出身地:福岡県/大阪校6期/『地獄先生ぬ〜べ〜』鵺野鳴介役/『テニスの王子様』シリーズ、手塚国光役/『名探偵コナン』沖矢昴&綾小路文麿役/『SLAM DUNK』三井寿役/『ONE PIECE』カク&黄猿役/『遙かなる時空の中で1〜4』アクラム、白龍、ナーサティヤ役 他

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