参加メンバー
岡本捷吾/山崎彩子/福井爽香/髙田哲樹/梶下真梨乃/山口昌也
倉木理帆/古川登志夫/岩崎成美
古川:
今日は青二塾大阪校在校2年目になる35期生の有志に集まってもらい、塾生になるまでの紆余曲折、更に今後のビジョンについて色々お話を聞かせてもらいたいと思います。
古川:
僕自身は昨年から【ナレーション強化】の特別授業として、今までになく深く大阪校のみんなと接する機会を持てたので、その中で感じた率直な疑問も含めて訊いてみたいと思います。
古川:
まず、どうして青二塾大阪校を選んだのか。
「私は山ほど語りたいことがあります」という人、話を聞かせて下さい。
髙田:
はい。僕は高校の時に演劇部に入りまして、そこでお芝居をする楽しさを知り、大学に進学後、何で生きていきたいかと考えた時に、やはりお芝居がしたいなと思いました。それでHPをよく見てたんですけど、青二塾大阪校のHPだけは異彩を放っていて群を抜いてシンプルだったんです。それを読んでちゃんとお芝居をする人を育てる為にやっているんだと凄く感じたので選びました。
古川:
その若さで、凄い眼力だね。「本気で生涯、現役で青二プロで活躍したい人」にターゲットを絞った宣材だと思うけど、そこを見抜いてるのは凄いね。
女の子はどうですか?
倉木:
私は大阪にある養成所のHPを幾つか見ていたのですが、説明会があると聞いて行かせて頂いた時に、先輩方が青二塾大阪校について語って下さるのが、「青二塾が大好き、良い所だから、是非来て下さい」という気持ちが凄く伝わってきて、ここなら信じられると思って選びました。
古川:
自分と同じ様な道を歩んできた先輩達だから、リアリティあるよね
古川:
他の人はどうですか。
岩崎:
はい。青二塾大阪校のHPで、今も憧れの中井先輩など、多くの名前が書いてあって、ここは憧れの方がいっぱいいるって思って。それだけじゃなくってカリキュラムも凄く魅力を感じたんです。そして人として成長できる場所だなって思いました。
そして説明会に参加して、実際に現役塾生の上級生、下級生の差を見て、ここは本当に成長できる場所だなと思い、ここにしようと決めました。
古川:
説明会って有効かもしれないね。若いみんながちゃんとリサーチしていて驚いたけど、比較検討することは大事だもんね。
古川:
では他、どうですか?
梶下:
私は声優を目指すと思った時に、20代後半なのでこの年齢で目指せるものなのかなと思って調べた時に、中井和哉先輩が20代半ばで働きながら目指されたというのを知って、どこの養成所で勉強したのかなって調べたら、土日の授業で今の仕事を辞めずに挑戦することが出来るということを知って興味を持ちました。
私も説明会に参加して、その時に塾長先生が「アイドルになるわけじゃないから、遅すぎるということはないよ」っていう言葉を仰っていて、それで背中を押されてこの青二塾大阪校で頑張ろうと思いました。
古川:
青二プロの求める人材として募集要項に「有経験者、未経験者、共に」とある。「その時」は人によって異なるけど「ここから始める!」その事が大事ですね。
古川:
他には?
岡本:
僕も髙田と一緒で、最初にHPを見た時にとてもシンプルで、なのに中身がとてもしっかりしているという所にまず目を引かれて、そこから土日だけ授業があるので、平日に働けてお芝居のこと学べる、そういう点が良いところだなと思いました。
僕も説明会に参加した時に、先輩方の熱意、挨拶、笑顔のとても素敵な方が沢山おられて、ここなら学べる事は間違いないだろうとここを選びました。
古川:
うーん、結構みんな冷静に考えているね。
山口:
僕はウイキペディアに載りたいという目標がありまして、今、公務員をやってるんですが、何かを調べる際に公務員出身の有名人一覧というのをそこで見ていると、中井和哉先輩がいらっしゃって。経歴を調べると青二塾大阪校という所がある。調べてみると年齢制限が自分でギリギリだったので、飛び込んでみようと思って下調べをせずに受けてみました。
古川:
自分と同じ道を歩いていた先輩がいたという事だよね。
山口:
はい。
古川:
中井君はね、僕も初対面の時からちょっと普通の子と違うなと感じたね。やっぱり世間をくぐっていろんなことを勉強してから来てるんで、一言で言うと「地に足がついた」そんな感じがした子だったね。
山崎:
私は以前、他の養成所に通っていまして、そこを3年間通って進級審査を兼ねた内部オーディションを受けていたんですが、声がかかるわけもなく。本当はその時点で、もうこの夢を諦めようと思っていたんですが、どうしても諦めきれなくて環境を変えてもう一度だけやってみようと思い、やはり声優業界最大手の青二プロダクションの附属俳優養成所の青二塾大阪校に行ってみようと入塾しました。
古川:
養成所を幾つか経験している人もいるけど、2回目にして青二塾にぶつかったのは良かったんじゃない?
福井:
私は幾つか養成所を調べていた時に、友人から誘われて一緒に説明会に参加したんですけど、その際に私と年齢が余り違わない先輩方が、凄いキラキラした笑顔で、本当に素晴らしい一人の人間として魅力があって。ここに入ったら私もこうなれるのかなと思って青二塾に入りました。
古川:
良いとこみたね。
僕は「人格等身大演技」という言葉を使って授業で話すことがあるんだけど、やはり芝居が上手い人は人間的にも魅力的だという理論。そういう意味で今の話はリアリティがあるね。
演技力が凄くあるのに人間的には全然魅力のない人って殆どいない。人格と演技力は等身大ってことなんだ。
意外とちゃんと考えて入塾して来てるね。
一同:
笑う
古川:
僕が若い時はそこまで考えてなかったかもしれない。
と言っても僕は児童劇団からだからね、考える間もなく「この道しかない」と思ってきた。
古川:。
では次「俳優、声優を目指すきっかけ」。
声優、俳優の表現者を目指したきっかけは何ですか?
岡本:
高校を卒業して青二塾に入って来たのですが、高校2年生位のタイミングでこのまま大学に行って、大学院に行くか行かないか、就職してそのままサラリーマンでずっと過ごして老後で、という人生は面白くないなと思って、何か普通じゃないというか面白い事がしたいと思って。
その時、当時アニメが好きだったので、それで声優という仕事を知って声だけで全てを表現するという事に魅力を感じて、面白そうだと思って、安直な考えで声優になろうと思いました。
古川:
普通でありたくない、っていう願望は人間だれしも持っていて、それを歌舞伎の「歌」「舞う」という字をあてて「歌舞く本能」というんだけど、今、流行っているコスプレなんて正にそれ。そういう意味で一応だれでも本能として何か他人と違う面白い事をやってみたいんだよね。
それとは違うきっかけの人いる?
山口:
僕は昔はプロレスラーを目指していました。
古川:
プロレスラーを目指していた??へーっ!!
山口:
どんなプロレスラーかというと悪役プロレスラーで、ずっと悪役に憧れていたんです。只、手の怪我とか身長も全然足りないしバックボーンも全然無いので、その夢は諦めて公務員生活を送っていたのですが、やっぱり何かウイキペディアに載りたいという何かやってみたいと思い、声優俳優としての仕事を見つけた時に、「悪役もあるじゃん!」って思って目指してみるかと。
一同:
笑う
古川:
wikiありきとは、典型的に電脳時代の申し子だね。
一同:
笑う
古川:
他に?
岩崎:
私は小さい時からアニメが大好きで、特に少年が主人公のアニメが大好きで中学生の時に声優さんの紹介されている番組を見て、そこで初めて少年の声を女性がやってるというのを知り、凄い衝撃を受けて、これだったら私も少年役が出来るんじゃないか。
古川:
自分にも出来るかも知れない!なるほど。
一同:
笑う
岩崎:
出来るかもしれない!!
それが本当に目指すきっかけでした。
古川:
人が出来ることは自分も出来るはずだって人いるよね。どうですか?
梶下:
私は直接のきっかけは大学の時にアカペラバンドをやっていて。
古川:
へーっ、ということは声だけで?
梶下:
声だけで。何人かでハーモニーを重ねて、声で表現するのは楽しいなと思ったんですが、私が一番楽しいと思ったのは、ライブをする時にMCを自分達でやっていたのが、その大好きなアカペラとお客様を繋ぐ立場に自分がいるのが凄く楽しいなと思って、そういう仕事ってないかな?って考えた時に喋る仕事、声優さん。
私、アニメが好きだったので凄くやりたいと大学の頃に思ったんですが、でも、なれる訳ないというのが、なんとなく自分で蓋をしてしまって、その時は目指さずにそのまま就職をしたんです。
2,3年前に親友が結婚をしまして、自分の将来について自分も考えるようになって、この先結婚して子供も生まれて、子供に自分は夢にチャレンジしないまま終わってしまったというのがなんか。
古川:
そんな先の話まで・・・
一同:
爆笑
梶下:
もしダメだったとしても「お母さんはこんなに頑張ったんだよ!」っていうのを言えるような母親になりたいなと思って、自分で限界を決めるよりチャレンジしようと思って。
古川:
具体的なんだね。生きざまを子供に伝える。
へーっ、凄いな、僕の若いころ、そんな難しいこと考えなかったけどね。
一同:
笑う
髙田:
僕の家は家族全員がアニメが好きで、具体的に興味を持ったのは中学の時に姉が神谷浩史さんのファンになって、ラジオとかアニメとか、特にラジオを聞いていて、凄く楽しそうだなと感じて、声優ってそんなに楽しいお仕事だったんだという風に感じて、それからアニメを観る目がちょっと変わって、声のお芝居を重点的に見るようになっている・・・と。お芝居って楽しそうだな自分もやってみたいなと思ったんです。
古川:
憧れが、きっかけになることはあるよね。見たり、聞いたりするとね。
他に?
福井:
私は小さい時から何か自分を表現するのが好きで、ピアノや絵を描いたり、あとトランペットやったり、でもなんか違うなというふうに思っていて中学生の時にアニメ好きの友達が「将来、声優になりたいよ」と言うのを聞いて、あっ!それがあった!って思って、それが目指す結果になりました。
古川:
楽器演奏とはどう違ったの?
福井:
自分の口でやるのと、何か物を通してやるというのは、何か違うなという(笑)
古川:
自分自身が楽器みたいな感じだね。
倉木:
私は小さい頃から演技とか役者の仕事に興味があったんですが、ずっとそれを親に言い出せずにいて親の敷いたレールを歩んできたんですが、アニメと映画が小さい時から大好きで、どうしてもスクリーンに流れる声優さんの名前を見て、羨ましくて仕方なかったんです。
それで、私は仕事が大好きで仕事に人生を賭けたいと思っているので、何か自分で本気になれる事を仕事にしたいと思って、後悔する事だけはしたくないのでやってみようと親にお願いしました。
古川:
テロップに自分の名前が流れたら良いなって?
倉木:
そうです(笑)
山崎:
私も凄く単純で昔からアニメや漫画を読んでいたんですが、ある時、私、このキャラクターなりたいと思って、でどうしたら良いのかな?って、そうだ声優になれば良いんだと思ったのですけど、その時は勇気が出ず、私なんか無理だと思って諦めていたんですが、大学卒業して就職して一年で体調を崩して辞めたんですけど、その時に人生一度きりだから自分のやりたい事をもう一回目指してみようと思って目指しました。
古川:
身体を壊すという試練みたいなものが、逆に背中を押すきっかけになった、そういうケ―スもあるんだね。
古川:
さて次の段階
「やりたい!!」って事が固まって来た時にね、僕の場合は親に相談したんだけど、親父、大反対だった。皆さんはどうなんだろうな?
岡本:
僕の周りは、何人かの親がダメと言ってたよ、みたいな話を聞くんですが、「実は僕は声優になりたい」って言うと、「ああ、良いんちがう?」みたいな。
一同:
爆笑
岡本:
適当な感じで快諾と言えば快諾かな?
やりたいんだったらやったら?みたいな感じで、まあ、快諾してくれました。
古川:
他にこんなことやったら?って言われなかった?
岡本:
まぁ、あんたがやりたい事だったら別に何でもやったら良いんじゃない。
古川:
良い親だね、僕の親は「芸能界なんて目指さないで、銀行員になれ!!」って大反対だった。
一同:
爆笑
古川:
反対された人、いる?
山崎:
私は反対していて「そんな不安定な職業じゃなくってちゃんと安定した職業に就いて欲しい」と言われました。
古川:
そうだね。安定した道を歩んで欲しいというのも親の愛なんだけどね。
他の人はどう?
福井:
私は父方の祖父母も自営業で、父も自営業で母方の祖父母とかも会社に入ったことはなく、「声優になりたい」ということを相談した時に、「やりたかったらすれば良いけど、全責任は自分でとってね」って言われました。
古川:
優しいようだけど、逆に問われている感じもするね。どうだった?それを聞いた時?
福井:
でも自分で決めたことなら好きにして良い、勿論、責任は私がとるからってちゃんと言って、許して貰えたので、私反対されるとずっと思ってたんで、まさかそういう言葉が返ってくるとは思ってなかったので、嬉しかったのもありますし、頑張ろうと思って気合いが入りました。
古川:
やっても良いけど自己責任だよということだよね。
他には?
岩崎:
私は両親に最初からもうこれやると、はっきり伝えて、そしたらもう「あなたが好きなので、好きなようにしなさいと言われまして、両親がアニメが凄く大好きなので、だから今も凄く応援してくれています。だから古川登志夫さんとお会いすると言ったら「どういうこと!」って言われました。(笑)
古川:
君は世渡りが上手い!!(笑)
一同:
爆笑
古川:
大反対だけど押し切っているという人いる?
倉木:
私は合格通知が来た後に親の了承を受けないと入塾出来ないので、母親にまず了承して下さいと言ったら、「私は了承しません!」と言われ、「お父さんに相談しなさい」と言われたので、父にお願いしますと言ったら、「好きだしやって良いけど、お金の責任だけはちゃんとしてね」といって了承してもらいました。
古川:
条件的にクリア出来るものと出来ないものもあるからね。で、どうだったの経済的なことを付きつけられて。
倉木:
私は働くのが大好きで健康だったので、出された条件を普通に割と守れる条件だったので守りますと言って約束して。
古川:
倉木さんは「ポジティブ、ポジティブ!」の人なんだね。
一同:
笑う
古川:
僕だったら考えちゃうけどね(笑)
他には?
梶下:
私も自分の責任でちゃんとお金を出してやるんだったら、もう大人だから良いよって言ってくれて、応援してくれているんですけど、多分本音は結婚して欲しいのだと思います。(笑)
一同:
笑う
梶下:
なにかと「誰々さんはもう結婚したらしいよ」って言うんで(笑)
一同:
爆笑
梶下:
本音は心配なこともあり、結婚して安定した生活を送って欲しいのだと思います。
とはいえ、応援はしてくれてます。
古川:
成人してればね、基本自分のことは自分で責任を取るんだしね。
髙田:
僕は高校で演劇部でやっていた時に、将来声優になるのも良いかな?って家族に言った時は「声優でちゃんと食っていくのは厳しいぞ」て言われて、ちゃんと働くために大学に通った方が良いんじゃないかと言われたので、大学に行っていたのですが、大学に馴染めなくって悩んでいた時に父が「お前、前に声の仕事をしたいって言ってたの、どうなんだ」って言われて、「やりたいけどお金が」と言ったら「大学を辞めて4年間の学費の中から養成所の費用を出すので、養成所一本で頑張ってみるのはどうだ」と言われ、それで応援するよと言って貰いました。
古川:
保護者の方が理解してくれないと大変だけど、わりとみんなその点では恵まれた環境にあるという気がするね。
具体的に聞くけど、実際の経費自分で用意したという人いる?
(4人手を上げる)
古川:
そんなにいるの?
梶下:
私は会社勤めをしていて、貯めていたお金と、あと新車を持っていたのですが、手放しました。
私、広島から通っていたので、新幹線代を別で捻出しなければならなくて、しっかり貯めて、初期費用は出せるようにしてあと毎月のお給料の中で、節約しながら新幹線代と宿泊費を捻出しています。
古川:
しっかりしているけど、不安になることないの?
梶下:
不安はあったんですけど、浪費家なので(笑)
やりたいことだから我慢してしっかり考えながら、毎月、お金を使ってます。
古川:
自制心も芽生えた?
梶下:
はい!(笑)
古川:
どうですか?
倉木:
私は実家が大阪なんですが、フリーターで3つ仕事を掛け持ちしていて、取りあえずお金を1年間貯めて、そこから一人暮らしすると決めていたので、一人暮らしを始めて塾費用を払えたので、それと派遣で営業事務をしているので、節約して節約して捻出しています。
古川:
へーっ、倉木さんは自分でプランを立てられる方?
倉木:
はい。
古川:
そうとう、しっかりとしてないとね。欲しいものもあるだろうし。
福井:
私は高校2年生の時からずっと青二塾に入りたいと思っていまして、親に大学には行かない代わりに青二塾の費用を払って欲しいというお願いをしました。
親は「青二塾には通って良いよ、けど大学にも行って欲しい」と言われ「どっちも出す、どっちも出すからどっちも行ってくれ」って。
一同:
爆笑
古川:
交換条件を提示されるケースはあると思うけど、君はたまたま好条件だったね。
もう一人だれか。
岡本:
僕は高校を卒業して青二塾に入ってきたので、アルバイトもほんの少ししかやっていなかったので、少しのお金で塾の費用が払える訳もなくおんぶにだっこでお願いします。って出して貰いました。
古川:
塾の費用を自分で用意した人と、親に出して貰ったという人、十人十色だね。
大学在学中の人もいるだろうし会社勤めやアルバイトしている人もいる。塾との両立はどう?意志が相当堅固でないと、この厳しい青二塾の上級生にはなれないよね。青二塾は他の養成所に比べて途中でリタイアする人は少ないけど、挫折しそうになった事はない?
梶下:
私は広島から来ているので、最初にホームシックになりまして周りから関西弁しか聞こえてこなくって、自分が今まで聞いてきた言葉じゃない言葉が飛び交ってたので凄く不安でした。
私、訛ってないと思っていたんですけど、訛っていて方言も結構、強い方で喋り方が変だったかなとか思って気持が落ち込んでいって、大丈夫かなと思ったんですけどでも周りのクラスメイトとかとコミュニケーションとっていく内に、広島弁を喋ることも個性になっていて、今は得しているという事が多いです。
古川:
挫折の要因というのは色々あると思うんだけど、精神的な面で挫折しそうになった事ってある?
山口:
あります。先週…。
一同:
爆笑
古川:
先週?
山口:
失敗をしてしまって。
僕は馬鹿なのかお酒を飲んで寝たら、次の日もちなおってる。やっぱり引きずったままなんですけど、そこでダメにならずに、次の日も朝から出てきたので、やっぱり馬鹿なんだねって。
古川:
自分で払拭出来る自浄の才能をもってんだね、きっと。
古川:
話は変わるけど、将来、青二プロに入ったとしてどんな仕事をしてみたい?青二プロの先輩方にはナレーションが得意な人、アニメが得意な人オールマイティな人・・・と様々なタイプの役者がいるんだけど、自分はどんなタイプでありたいか。これ、割と大事なんだよね。青二プロに入る時にどんな声優になりたいか、堅固なイメージがないとね。いつまでも模索している訳にはいかない。
倉木:
私は父とはとても仲が良いんですね。小さな頃から一緒に映画を観に行っていたので、吹き替えの仕事がしたいと思っています。
古川:
なるほど、海外ドラマなどをやってみたいのね?
倉木:
はい、映画が。
古川:
ほう、外国映画を主に?アニメじゃないの?
倉木:
アニメは好きなんですが、映画は短い時間で人を感動させることができて、一生、心に残るので、吹き替えがしたいと思っています。
古川:
今、アニメの新人売り出しの方法論は「メディアミックス」が主流になっている。だから歌って踊ってトークもできる、という多才さも求められている。
いずれにしても所属オーディションで「君は将来、何をやりたいの?」って営業部のマネージャさん達から訊かれる可能性はあるから、ある程度答えられるようにしとかないとね。
女性に聞いてみようかな。
福井:
私は、目指した時はずっとアニメがやりたいという風に思っていたんですけれども、ここに通って学んでいく内に、実際やった時の反応とかを観るのも凄く楽しくって良いなと思いまして、舞台とか朗読した時のお客さんの空気みたいなのが感じられるのも良いなと思っていて、私は色々やってみたいみたいです。アニメだけではなくて。
古川:
生のステージとかイベントとか?
男性にも訊いてみようかな。
髙田:
僕は先程申し上げた通り高校の時、演劇部と放送部に入っていて、兎に角高校の部活ではずっと声を使っていて、声に関わるお仕事は何でもやりたいです。ナレーション、アナウンス、アニメのキャラクターとか、映画の吹き替えとか朗読とか、舞台のお芝居もやっていきたいです。
古川:
要するにオールマイティ派を狙っているんだね。
例えば、青二塾大阪校卒塾の中井和哉君なんかはそのタイプだね。
岩崎:
私も最初のきっかけはアニメだったのですが、青二塾で色々なものに触れていく内に、もう色々やりたいと思いました。
古川:
いろんな先生から、いろんな切り口でいろんな演技論を教わると段々興味の幅が広くなるって事もあるよね。
梶下:
私はアニメよりナレーションをやりたいなぁと思っていて、バラエティー番組のナレーションとか、歴史番組とかしたいと思っています。
古川:
NHKのドキュメンタリー番組とか?
梶下:
はい、ドキュメンタリーを。
古川:
梶下さん自身は大人っぽい雰囲気だから合うかもしれない。
一同:
笑う
梶下:
ありがとうございます(笑)
古川:
友達や会社の人に声優の勉強していること話してる人いる?
山崎:
本当に仲の良い何人かの友達にしか話していなくて、職場でも直近の先輩一人にしか言ってないです。
古川:
自分の事をよく分かってくれそうな人にね。
山崎:
はい。
岩崎:
私も親しい人にしかやっぱり言えてなくて。
古川:
その先どうなるのか分からない段階では中々話せないよね。
古川:
ところで塾では色んな科目を組んでるけど、塾以外に外でも何か勉強してる人いる?
福井:
はい。先程と繋がるんですが、青二塾に行っても良いから大学に行きなさい。といわれて、でも、やりたいことしかやりたくないと思って。
一同:
爆笑
福井:
青二塾で学ぶことを大学で似たようなことを勉強出来たら良いなと思いまして、演技と歌とダンスも青二塾で教えて頂けるので、3つを合わせてミュージカルを平日に勉強しようと思いまして。
古川:
そうなんだ。
福井:
青二塾が2年間なので、2年間のミュージカルコースのある音学大学で平日に勉強して土日は青二塾で勉強してということで、毎日好きなことを勉強出来ていて、今、幸せです。
古川:
俳優教育の現場では、よく理論偏重または実技偏重ということが問題視されるんだけど、僕は、「理論に裏打ちされた実技」というバランスが大切だと考えている。その点では有益な勉強法かもしれないね。
他にも別のことを習っている人いる?
山口:
はい、身体の為にほぼ毎朝ジムに行って身体を鍛えています。
古川:
これは現役の僕らの仲間にもいるね。役者は身体が資本だし、鍛え続けるっていうことは大切だよね。
具体的にジムにはどの位のペースで?
山口:
週、多くて5。
古川:
結構、多いね。
一同:
爆笑
山口:
仕事の前に身体を鍛えて仕事に行くと、わりと頭が冴えた状態で仕事がスタート出来るので。
古川:
それに加えて青二塾、凄いね。だいたい決めた通り出来てる?
山口:
もともとプロレスラーを目指してたので、身体を落としたくないなと意志が凄く強くって。
古川:
へーっ。
他にも何か違うことやっている人は?
山崎:
私は英会話を習っていて、あんまり乗り気ではないんですけど、親がお金を出してあげるから、今後の為に通わせてくれたので、外画の吹き替えの仕事があったら、役立つようになったらと思って通っています。
古川:
なるほど、けっこう親御さんは先見の明がありますね。今、アニメ・ゲーム・マンガなど日本のサブカルコンテンツが海外で凄い人気で、僕らもコンベンションのゲストとして招かれて行く機会も多く英語で挨拶する事もあるから、アイドル声優と言えども、せめて挨拶位はね。
さっきの身体を鍛えるというのは確かに必要だね。僕らもこの歳になってもかなりハードスケジュールだし健康は大事だ。鍛えておく事も必要だと思う。
古川:
それじゃあここからはみんなからの質問に答える時間にしようか。
岩崎:
はい、古川先生は役者として一番大切にされていることは何ですか?
古川:
そうですね、表現ということに限れば、古川登志夫がやったらどうなるのか、自分独自の演技、他の人では出せない表現をすることを心がけている。塾では色んな先生方から様々な切口で多くの事を教わるだろうけど、君たちが仕事をするようになった頃には、それぞれ独自の演技論を持つようになっていく、と思う。中井くん達にも僕らが教えたことがあるわけだけれども現場ではもう一プロとして会えば、中井くんには中井くん独自の演技論がちゃんと出来ているわけですよ。僕らに教わってきたことが土台になってる部分があるだろうけれど、その上にその人独自の演技論が積み重なっていく。
倉木:
古川先生はお仕事がとてもお忙しいと思うのですが、なぜ青二塾大阪校の講師のお話を受けてくださったんですか?
古川:
それは塾長先生と色々お話をして、ここの建学の理念や教育方針がきちんとしていること。必要十分なカリキュラムが組まれていることなどに共鳴できたから。
それに厳しさが好きだから。学校ではなく塾なればこその厳しさ、実は優しさでもあるわけだけどね。現場では結局その厳しさでないと通用しないってことを僕らは肌で感じている。そういう意味で大阪校はすごい。ここで耐えられれば、大丈夫と思う厳しさがある。
倉木:
ありがとうございます。
古川:
青二プロは生涯現役で活躍したいという人、厳しさに耐えられる人材を求めているんだ。
他に質問のある人は?
髙田:
はい、僕の母も昔から古川先生のファンで、前々から古川登志夫さんはいつまでも声が変わらない、今でも篠原遊馬やカイ・シデンをできるのは凄いという風に言っていて、僕も全くその通りだと思うのですが、いつまでも健康な喉を保つ秘訣というのは何かあるんでしょうか?
古川:
そうですね、日々の仕事が訓練になっている、それくらい本当に忙しい。
最後にもう一人くらいどうぞ。
岡本:
はい、僕はとても緊張しがちで人前に立つと手がプルプルすることがあるんですが、過度な緊張を丁度良いくらいに治す方法はないでしょうか?
古川:
緊張することは全然悪い事じゃない。名優といわれる人たちでも舞台袖に出る直前までぶるぶる震えていた、という話をよく聞きますね。緊張感というのは実力をさらにもう一段階レベルアップさせてくれる要因の一つでもある。
古川:
今日お話しを色々聞いてみて、皆さんがちゃんと指針を持って色々考えているという事が分かったよ。ちょっと安心しました。
一同:
(笑)
古川:
来年この中から僕と一緒にスタジオで仕事をする人がいる訳だからね。非常に楽しみですね。
お疲れさまでした。
一同:
ありがとうございました。